今年の春に10年振りにTOEIC試験を受け、その結果は980点であった。TOEICを受験後は、英国雑誌の「The Economist」、米国新聞の「Wall Street Journal」、朝日新聞が発刊の「Asashi Weekly」を勉強の材料として読み込んできた。半年近く読んできたが、いまだに単語がわからず、また上手く解釈できず、読んでいて途中で止まってしまうことが多いが、少しずつ速く、より深く理解しながら読めるようになってきている。そこで、直近半年間の勉強の腕試しとして、10月上旬に英検1級を受けることにした。
今時期に英検1級に挑戦しようと考えた理由は、今だったら合格する可能性がありそうな気がしたからだ。それに英語を将来教えたいと考えている私にとって、英検1級は一つの看板になりそうだからだ。目標は正答率9割超えの一発合格であるが、苦手のライティングと語彙力をあと残り2カ月弱でどこまで上げられるかが課題である。いずれにしても10月の試験日にコツコツ勉強してきた成果を出せたら良い。
半年以上英語の勉強をしてきてわかったことは、語学の習得には時間が必要ということだ。時間をかけて一つ一つ覚えていくことでしか語学力はつかないと私は感じている。20代の時はTOEICの点数を効率的に上げるために過去問を繰り返し解いたり、ビジネスシーンで使う慣用句を覚えることに力を注いでいたが、本質的な語学力を上げるという点で言えば、これらの作業は遠回りであるような感じがする。テスト慣れという点から、テストの点は伸びるかもしれないが、言語に対しての理解が浅くなり、そして飽きや頭打ちが来るのが早い。(それだから、当時の私は英語嫌いから抜け出せずにTOEICで900点を超えるのに5年もかかってしまった。それに当時の最高点は、何回も受験した末の930点だった。)
私の意見としては、英語学習においては効率よりも、基礎と好奇心がより重要である。私にとっての英語の基礎とは、発音であり、発音記号の音を覚えることである。発音記号を覚えてしまえば、単語の発音を覚えるのに音声を聞いて覚える必要はなく、発音記号を読んで覚えることができる。また、語彙を日本語で理解するのではなく、英語で理解するようにすることも重要だ。具体的に言えば英和辞典に頼らず、英英辞典で対処できるようになることである。英英辞典を使っていると、単語の言い回しを覚えることができる。また中学で習った英文をおしりから訳す訳し方は時間がかかるため、日本語の表記がない辞書の中では嫌でも文章を頭から訳すようになってくる。この下地を作ってから、自分の興味のある分野の本を原文で読んだり、現地の雑誌や新聞に挑戦したりするのが良いのではないか。この方法は時間はかかるし、始めは解釈に苦労するかもしれないが、興味がある文献を読めるという好奇心に誘われて、飽きずに続けることができ、知識も増え次第により深く英文を理解できるようになってくる。
自分が興味のある分野について英文で調べようとする姿勢を身に付けることは、テストでどんなに良い点数を取るよりも遥かに大きな財産になると思う。なぜなら生の文献はテストの文章にはない生き生きとした表現がたくさんあり、それを味わうことができ、また作者の意見をそのまま理解することができるという楽しさがあるからだ。私は英検の受験が終わったら、また自分の興味のあること(世界経済や情勢)にどっぷり浸かり、その方面での英語力を伸ばしていきたい。
(文頭の写真はTOEICの会場であった筑波大学。大勢の大学生に囲まれての受験は緊張したが、若い人たちの熱心さに感化された。尚、試験日は曇天であった。)
8月11日 大箸







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