私は2016年に中古の印刷機械を外国の会社へ販売する会社の営業をしていた。その会社は日本にある印刷会社やリース会社から中古の印刷機械(オフセット印刷、折り機、断裁機など)を買い取り、自社の倉庫で保管し、海外の商社(ベトナム、香港、シンガポール)へ売却していた。
印刷会社が機械を売却する時は主に二つの理由があり、一つは新しい機械を入れるためと、もう一つが廃業する場合である。この廃業する時には、狙っている機械の他に、回収してもスクラップにしかならない機械も引き受けていた。私が勤めていた時は、鉄のスクラップの価格は安く、回収してスクラップとして売ってもほとんど利益にはならなかったが、当時の雇い主に聞くと2008年の北京オリンピック前は鉄の価格が高く、販売するよりもスクラップとして出してしまった方が良かったケースもあったらしい。それぐらい鉄の価格は北京オリンピックの特需を受け高騰し、オリンピックの閉会とともに下降線を辿ったようだ。
因みに、その時の鉄スクラップ価格を一般社団法人日本鉄リサイクル工業会の公表している資料から引用してみる。
2008年1月から7月までは1トンあたり4万1千円から7万円で推移していた。
2008年8月から12月までは1トンあたり4万円から8千円で推移していた。
私が印刷機械の商社に勤めていた2016年1~3月は、1トンあたり1万5千円から1万9千円で推移していた。この情報を見ると確かに北京オリンピック前の鉄スクラップの価格がいかに高いかがわかる。
こんな話をなぜ今頃持ち出すかというと、私の住む人口5万人程度の町に金属スクラップ回収業者がここ1、2年で4~5件増え、そのような業者が急に増加した理由は鉄スクラップの価格によるのではないかと思ったからだ。今の価格は1トンあたり5万円前後で推移していて、新型肺炎ウイルスが流行り始めた当初の2020年4月の価格、1万8千円に比べると高騰していると言える。(インフレの影響をかなり受けていると考えられるが)
以上が鉄スクラップの価格調査の結果である。
たまたま金属スクラップ回収業者の増加を見て、鉄スクラップの価格を調べてみたが、私が懸念しているのは、2008年の北京オリンピックが終わった後の出来事と同じようなことが起きなければ良いということである。2008年9月15日米国投資銀行のリーマンブラザーズが経営破綻した。それが引き金となり、日本の銀行も大きな損失を出し、一気に不況になっていた。当時に比べたら今の国際金融はより連鎖的に繋がっているであろうから、大きな衝撃には脆くなっていると考えることができる。恐慌は地方経済にも、工場の閉鎖や物流の停止など良くない影響を与えるため、国内の経済が着実な成長のもと発展していってほしいと願う。
8月4日 大箸







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