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石塚左玄の「食べもの健康法」を読んで 序文

日本時間の7月14日の朝にトランプ前全米大統領の暗殺未遂事件が起こり、世界を震撼させた。トランプ前大統領は耳を負傷したが命に別状は無かった。またこの事件で一人の犠牲者が出てしまった。(その方のご冥福をお祈り致します。)7月13日から15日までの三連休中に悲惨な出来事が起こったため、記録のために記載しておく。今後の世界が平和であることを願う。

さて、本日は石塚左玄の「食べもの健康法(農山漁村文化協会出版、丸山博解題、橋本政憲訳)」の序文を読んだので感想を記す。

石塚左玄(以下、左玄と略)は、福井県福井市出身の医師と薬剤師であり、漢方医学を学び、軍医として活躍した。この本は、彼が1896年(明治29年)に発表した「化学的食養長寿論」という学術書から一般向けに解説した「通俗食物養生法」という著作の現代語訳である。ここでは、「食」と「肉体」と「精神」の関係を述べ、日本における適した食生活法、衛生法、医学、育児、教育法の確立を唱えている。

左玄が最初に唱えたのは、「食事が確立してこそ人間が成り立つ」と言える化学的な証拠があるということだ。ことわざでは、「土地柄によってちがった人間ができる」というけれど、実はその土地の産物である食物が人間を左右するのである。つまり食物の摂り方によって、人の身長、体重、考え方、性質が異なってくる。食物をどのように摂るかは、その土地の気候や季節を考慮しなければならず、その場所や季節に応じて変化させていかなければならない。郷に入りては郷に従えというのは、その土地のものをその季節に応じて食べよとも捉えることができるのだ。

したがって、各地方の人々が化学的食養法を正しく守れば、体格は大きくなり、判断力も才気も備わり、病気せず健康で、精神的にも健全であり、大自然が万物を生み育てる道にかなうであろう。

序文の紹介は以上である。序文だけもかなり読み応えがあった。左玄は明治時代に日本が自国の伝統を捨て、闇雲に西洋文明を取り入れることに危機感を覚えこのような本を残したと思う。それは、西洋文明の否定ではなく、日本の気候や風土を考慮せずに西洋の食文化をならってしまったことを問題としている。

私は、農業を始めて土地と気候が違うと採れる作物が異なることがよくわかった。日本の中でも温かい地方と寒い地方で、採れる作物が違い、もっと言えば一つの県の中でも作りやすい作物と作りづらい作物がある。例えば、茨城県の北部の大子町では林檎が採れるが県央から南ではほとんど栽培されない。その代わり県南部ではみかんが採れる。私は、農業をやってみて、なるべくその土地に採れるものをその時期に頂くのが適しているのではないかと直感的に感じるようになった。左玄はこのことを化学的に証明してくれている。続きはまた後日示す。是非楽しみにしていてほしい。

三連休雨がよく降ったおかげで、畑の南瓜は元気に育っているだろう。収穫まであと一ヶ月以上必要だが、今から楽しみである。

7月15日 大箸

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I’m Takafumi

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