7月13日からの三連休は、初日が晴れで残り二日は雨予報である。そのため、晴れの今日に畑に行き連休の間にやらなければいけない作業は終えてきた。残り二日は、心身ともに畑から離れ休息日にし、読みたい本を読み進め、家の中を整理する予定だ。
ここ二週間は真夏日が続いていたので、明日からの雨で水不足が心配であった作物は生気を取り戻すであろう。私は雨のおかげで快適に過ごすことができ、作物の心配事が減り、身体と心が休まる。
最近私は阿見町に来た当初のことを振り返っていた。
私は静岡県富士市で育ち、20代は東京で勉強し働いた。20代の時は、今こうして阿見町で農業をしていることなど想像もしていなかった。
私が阿見町に来たのは、20代の終わりにオーガニック野菜が健康に良いと知り、オーガニック野菜を自分で栽培して安価に提供したらどうかと考えたからだ。そして阿見町に来てすぐに野菜作りを始めたが、野菜を栽培し販売するのは想像をはるかに超えて難しかった。また、健康のためにオーガニック野菜を食べれば良いという簡単な話ではないことがわかった。
自分で野菜を作ってみて、食べ物はヒトが作っているのではなく自然が産み出してくれているということがわかった。作物は、種、土、水、温度、陽の光など自然の力が無ければ育たたない。当たり前の話なのだが、都会にいた時の私はそのようなことを考えたこともなかった。
ヒトの健康においても、質の良い食材を食べていれば健康になれるというわけではない。食べ物の質の良し悪しよりも、もっと重要なことがある。それは、自然の恵みに感謝し、食べ物を育てたり運んだりしてくれる人の勤労に思いを馳せるなど、自分は自然や他人に生かされているという謙虚な気持ちを抱くことだ。つまり食べ物を我が物だからと貪ることなく、慎みながら頂くことが本当の心身の健康に繋がるのだと学んだ。
想像力の低い私は自分で野菜を作らなければ、自然のありがたみや農家さんの苦労を理解することはできなかっただろう。阿見町に来て良かった点は、視野が少し広くなり、生きていく上で重要なことに気付けたことである。
最近の猛暑で私はとても消極的になっていた。猛暑で作物が育つかどうかわからず、炎天下での作業は身体に負担がかかっていた。そのような中で私は作物を育て続けていく意味があるのだろうかと思っていた。しかし、本音を言えば多少の暑さなど気にならないほどに身体を強くしたいし、自分が何を作るべきか見極め、それを多少なりともきちんと栽培し必要としている人に届けたい気持ちがある。また、農業から学んだことを農業に関わったことのない人に伝えたい。まだ工夫できることはあるし、もっとできることはあるはずだ。
今は夜の10時40分で、外に出ると涼しい風が頬に触れて、とても気持ちが良い。夜風が昼間の労働で火照った身体を癒してくれている。三連休の二日間は心身を休め、また週明けから気持ちを改に頑張りたい。
この三連休は梅雨前線の影響で全国的に雨が降るということで、茨城よりも平均気温が高い私の故郷である静岡の地域も少し涼しくなる。暑くて辛い思いをしていたであろう私の家族にとっても、この三連休が快い休息日になることを願う。
7月13日 大箸








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