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一緒に学ぶ場

私が大学を卒業後、大手企業に勤めることを勧めていた父は、私が中小企業に勤めることに猛反対した。

ただ当時の私は面接を100社以上受けても就職先が決まらず途方に暮れていたため、1年以上もの就職活動の末、内定を出してくれた不動産ベンチャーで働きたかった。そして父を説得した。その時に父からその会社で働くのを許す代わり出された条件は、働きながら英語を勉強し、TOEIC試験で900点を取ることであった。

そのような約束なんてすぐにクリアしてみせるぞと意気込んで働き始めたが現実は違った。働き始めてみると勉強時間を確保するのが難しく、そして何よりもTOEICは私にとって難解な試験であった。TOEICはビジネス英語の試験で、主にリスニング、文法、長文の問題で構成されている。990点が満点なのだが、最初に受けた時の結果は、450点であった。その上、テストの内容を半分も理解できていなかった。ようは英語が苦手であったし、苦手意識からか勉強に集中できていなかったのである。そして仕事を優先するという理由でしばらく英語の勉強から離れてしまった。

それから時が過ぎ、一社目の激務の不動産ベンチャーから、比較的に労働時間の短い会社に移り、ほとんど手つかずであったTOEICの勉強を再び始めた。一人で仕事終わりにカフェで問題を解きながら、何度か試験を受けたが、結局良い結果は出なかった。

そして父との約束を果たすまでに卒業から5年以上がかかった。5年間TOEICの勉強をしていて一番集中でき英語力が伸びたのは最後の三ヶ月間で、友美が一緒に英語の勉強をしだすと言ってからだ。当時の友美は看護の仕事の合間に英語の勉強をしたいという気持ちはあったものの、仕事が忙しくなかなか踏み出せずにいた。そのような折に私を見て勉強する気がわいてきたらしい。そしてお互いに勉強をすると決めてから、夕飯後や移動中の電車の中で各々のテキストに向かいあった。今までどの勉強に対しても前向きになれなかったが、一緒に勉強する仲間がいると、不思議とよく集中できたものだ。この経験を通して、勉強は独りで励むよりも、一緒に励む仲間がいた方が捗るということを学んだ。仲間がいることで、きっとお互いの存在が良い刺激になったり、お互いが勉強しているかどうかの監視人になったり、話すことで気持ちが楽になり、よりよい集中力が生まれたりする効果があるのかもしれない。

TOEICの勉強をしていたのはもう10年も前の話になるが、今振り返ると父が与えてくれたTOEICで900点以上を取るという課題は、私にとってかけがえのない父からの贈り物であった。なぜなら、大学卒業時にTOEICの課題が無ければ、私は働きながら英語の勉強をしなかったであろうからだ。たとえ社会で必要になったとしても苦手意識ゆえに逃げてしまったと思う。

当時は、TOEICの勉強をしたおかげで、海外(マレーシア)駐在を経験したり、外資系の企業で働く経験を積むことができた。今は、英語の試験を受けたり、ビジネスで英語を使うこともないが、読みたい洋書を原文のまま読むなどして、英語は私の生涯学習の対象になっている。そして、何よりも日本の伝統食や日本の農と生活が密接した田舎暮らしの魅力を海外の人に英語で伝えるいう人生の大きな目標ができた。だからこれから先も英語の勉強はし続けていく。

TOEICに関するエピソードは以上だが、他人と一緒に学ぶことについての話がもう一つある。それは、アマゾンの在宅ワークのカスタマーサービスでのことだ。

アマゾンのカスタマーサービスに就いた時、研修期間が4週間あったのだが、始めの2週間は在宅でひたすらパソコンに向き合いテキストを読んだり、動画を見たり、クイズに答えたりする研修が続いた。一日7時間半の間、人と話すことなく独りで黙々と業務を覚えていくのだが、長時間の独り学習において途中でモチベーションが下がり、記憶が低下することがあった。また、残り2週間の研修期間は、実際にアマゾンにかかってくる問合せに対応した。

研修中は、経験が少なく研修では覚えきれなかった問合せも多くあり、うまく対応できず顧客を怒らせてしまうこともしばしばあった。その時は、対応できない不甲斐なさとクレームを聞かされ続けたことで落ち込むこともあった。

この在宅における独りでの学習の疲れとクレーム対応後の落ち込みを癒してくれたのは、業務終了30分前に行われるオンラインでの同僚とのミーティングであった。同期入社の同僚も同じような悩みを抱えていることを知ると、それに対してどうのように対処したらよいかお互いにアイディアを出し合い、翌日の仕事に対する前向きな気持ちが生まれた。アマゾンにいて良かったのは、オンライン上でしか関われない人であっても、同じ目標を持っていると、次第に繋がりの意識が芽生えてくることを知れたことだ。

このアマゾンの時の経験から、オンライン上で勉強会を開いたら良いのではないかという発想が私の中で生まれた。オンラインであれば、全国や世界の人と意見交換が出来るし、さらに同じことに関心のある仲間ができれば、学習度も上がってくるのではないかと考えた。

前置きが長くなってしまって申し訳ないが、今は下記のような勉強会を開きたいと考えている。もし関心のある人が3~5人集まるようだったら実際に週一回一カ月間開催してみたい。

オンラインの英語勉強会(仮)

テキスト:Denny WaxmanさんのThe Great Life Handbook

必要なもの:PCもしくは携帯(ZOOMかメッセンジャーを使う予定です)

このテキストを選んだのは、Dennyさんの英語がわかりやすかった点とマクロビオティック的な生活改善の方法を学ぶことができるから。(テキストから文を抜粋するので購入の必要はないです。)

勉強会のタイムスケジュール

毎週金曜19時開始

・自己紹介

・ワンポイントレッスン

・各参加者の割り振られた文の和訳を発表

・感想

20時終了

※事前に各参加者に和訳してほしい文を私から送り、それを各自で家で和訳してもらい、勉強会の中で発表してもらうという流れです。英語の勉強もできて、Dennyさんが教える内容も学べる会です。

費用:一回あたり1,000円の全四回を予定(テキスト代とオンライン勉強会の環境セッティング代と英文に関する事前相談を含む。支払いは銀行振込にてお願いします。)

以上がオンライン英語勉強会の概要です。まだ細かな部分を決める必要がありますが、もしご関心のある方がいらっしゃいましたら、問合せフォームにてご連絡頂けましたら幸いです。

7月10日 大箸

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I’m Takafumi

当サイトを閲覧下さいまして誠にありがとうございます。以前は野菜の栽培と販売の告知ツールとして投稿していましたが一旦中止し、英語関連のブログとしてリニューアル中です。農業や食に関する過去の投稿はそのまま残してありますので、ご関心がありましたら是非読んでみてください。