私が農業をやってみようと決心したのは、2017年の8月下旬から京都府綾部市の市街地から10キロ離れた農村地区にある「水田家の食卓(屋号)」さんで3週間農業体験をさせてもらったのがきっかけである。@mizutakenosyokutaku
水田さんの家では自給用の米と野菜を作っている。私が居た時は稲刈りの時期であり、朝から夕方まで稲刈りを行い、夕方から畑で秋冬野菜の種まきをした。
それまで農業に携わったことのない私にとって農作業は肉体的にきついものであった。しかし、そこには心身を癒してくれる存在があった。作業終了後の薄暗く大変静かなは環境は心を落ち着かせ、ひんやりとし澄み切った空気は労働で火照った身体に心地良さをもたらした。そして奥様のさかえさんが、家族で育てた野菜を使い振舞ってくれた料理は、ヘトヘトの身体に染み渡るような格別な美味しさがあった。
水田家での体験を経て、農と生活が密接した暮らしの中に幸福へのヒントがあるのではないかと考えるようになった。農作業をすることで身体は強くなり、作物を作ることで食べ物やそれを産み出してくれる自然の存在により感謝するようになる。また、新鮮な食材を食べることができる。その暮らしには心身がともに満たされる感覚があった。
また、農に携わらなくても昔ながらの暮らしから学び、日々の生活に応用できることは沢山ある。例えば地元の旬のものを頂く、米を大切に頂く、自然に触れるといったことだ。それらは心身の充実に繋がると思う。
私が水田家で気づかされたように、まだ農に接したことがない人に農と生活が密接した暮らしの魅力を伝えたく、茨城で畑を借りて作物を栽培し始めてから6年が経つ。自分でやってみて農の奥深さを感じた。育て方、種、肥料などまだまだ追求したいことは沢山ある。
しかし一方で、一点の課題がずっとあった。水田さんが「農とお金は相性が悪い」とよく言っていたが、農業で稼ぐのが難しいということだ。
当農園は小規模で生産をしているため収量は少ない。そのため、作物の販売から得られる収益で生活を回すのは諦めていた。けれども農を主体とするために改善できないかと色々とアイディアを絞ってみた。どのようなサービスを提供したら世の中で必要とされるかは未知ではあるが、色々と試してみたい。
その第一弾がちょっと変わった野菜の配達サービスである。
私は農業の傍ら、各家庭を訪問し掃除、庭の除草、家庭菜園、片付け、引っ越しなどの手伝いをしてきた。つまり私の得意分野は各家庭に行って家主が希望するサービスを提供することである。これを野菜の販売と組み合わせることができないかと考えてみた結果が、野菜を配達すると同時に困り事に対応するということである。
困り事に対する依頼は私にできることであれば何でも大丈夫である。例えば、配達次いでに庭の除草や風呂やトイレの掃除、配達した野菜の調理、電球の取り換えや重たい荷物の場所移動などでも。
今の時期は野菜が菜花、パクチー、ネギしかないが、5月上旬からはラインナップも豊富になってくる予定である。
地元の新鮮な野菜を必要としているし、家で困り事があるという方がいたら是非お気軽にお声をかけてほしい。(料金は野菜代に加えてサービスの提供代がかかるため個別にご案内)
これは将来的な話であるが配達の需要が増えてきたら、仲間の農家に声をかけて、取り扱う野菜の品目と個数を増やしていきたい。
最後に、今は提供できる野菜が少ないため、野菜の要望が無くてもサービスの提供だけでも対応可能である。特に雨の日に依頼を頂けたら本当にありがたい。春になり、外は寒くもなく暑くもなく動きやすい状況である。この間に冬の間に溜まったほこりを除き、必要のない荷物は片付け、庭は適度に整備し、より整った暮らしの空間を造るのはどうであろうか。手作りの食事と整った空間は快適に暮らすためにとても重要なものであると思う。
3月29日
大箸卓史








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